技術教育委員会

PDA技術教育委員会 運営幹事 橋本葭人

技術教育委員会は日本PDA発足当初、GMP分野で法律の運用Q&A以外に、法律を適用する上でその根拠となっているサイエンスとテクノロジーを理解する必要であるとの認識から、勉強に対して意欲のある方々を募り、国立公衆衛生院(当時)の森川馨先生を中心として活動を開始しました。その活動方針は、

  • (1) 日本PDA内で世界に通用するGMPを共有できる人材を育成する
  • (2) 日本国内でサイエンスの観点からGMPを捉え、各製品への適用を検討し報告書をまとめる
  • (3) 報告内容については発表会を開催し、PDA会員と意識の共有化を図る(原則として参加者全員が発表する)
  • (4) 最終的には日本から世界に向けて情報を発信する

と言うものでありました。

第1回目は1992年秋(10月だったと記憶していますが)にコンピュータ・バリデーションの運用方法について広く製薬ならびに関連企業に声をかけて人材を募集し、「コンピュータ使用医薬品等製造所適正管理ガイドライン」を纏めた井上健三氏(武田薬品工業:当時)と池田静男氏(横河電機:当時)にもご参加いただいて、毎週土曜日に国立公衆衛生院に集まって討議し、その成果が「コンピュータ適正管理マニュアル」薬業日報社、1993年版の「コンピュータ使用医薬品等製造所査察マニュアル」や「参考」に反映されています。

その後、毎年テーマを決め、委員を国立公衆衛生院の収容人数から25人程度として日本PDA会員を対象にボランティアメンバーを公募し、1年間を目標に月1回土曜日に会合を開き、報告書の発行と発表会の開催をしてきました。1993年以降の検討テーマは下記の通りです;

年数 検討テーマ
1993年 WHO/無菌製品GMP
1994年 WHO/無菌製品GMP
1995年 原薬GMP
1996年 原薬GMP
1997年 治験薬GMP
1998年 治験薬GMP
1999年 固形剤GMP
2000年 固形剤GMP
2001年 医薬品の製剤開発と製造・品質管理におけるデータ評価
2003/2004年 Process Analytical Technology (PAT)

2001年の技術教育委員会では森川委員長が統計に対する知識の重要性に比較し、我々委員の知識レベルを危惧され、委員会に併行して、早稲田大学の永田先生にお願いして、統計学に関する特別講義をおこない基本を勉強しました。この時は委員以外にも参加を呼びかけました。会場は日本ポール社の御厚意で本社会議室を使わせていただきました。また、2004年にはパウレック高嶋社長のご尽力でUSPのPAT部会長Dziki博士やFDAのHussain博士をお迎えして忌憚のない意見の交換ができました。それぞれの方々や会社に感謝いたします。

この間、2002年に技術教育委員会委員長の森川先生がPDA理事を退任され、国立医薬品食品衛生研究所の檜山先生が理事になられたのを機に、委員長を檜山先生に御引き受けいただき、2003年8月よりPATに関する検討会を立ち上げました。

昨年の技術教育委員会は2月25日の発表をもって終了し、現在は今年の開催について準備をしているところです。テーマが決まり次第会員にホームページで委員(ボランティア)を募集する予定です。会員であること、会で自分の考えを積極的に発言していける方(他人の話を聞くために参加する方にはご遠慮いただいております)だけが募集の要件です。いつも申し訳なく思っていますが、ボランティア活動の主旨から委員の交通費などは各自負担となります。また、専門分野の方には委員長から必要に応じて参加をお願いしています。委員会では、委員長が厚生労働省の研究機関に所属しておられる森川先生と檜山先生でも、基本的に法規に対する当局の運用方針や内容については質疑をしておりません。あくまでもサイエンスにもとづく討議にこだわっています。法律の運用に関するQ&A情報が欲しい場合には別の会に参加される方が良いと思います。

委員になると、毎月1回国立医薬品食品衛生研究所の会議室(以前は国立公衆衛生院の会議室を利用させていただきました)で開催される会議に参加するほか、会議に備えた調査、毎月の担当分野の発表用原稿から最終報告書の作成(大体3~4ヶ月)の負荷がかかってきます。委員会の考え方として「担当した人が一番勉強になっている」との立場から、毎回積極的に支援をしていく体制を構築するよう努力しています。また、その成果はPDA会員であれば誰でもアクセスできるよう配慮している積りです。ただし、報告会を開催しても発表時間に制約があり、報告書も全ての検討内容が網羅されるわけではないので、技術教育委員会に積極的に参加し、PDA会員であることのメリットを享受するようお勧めします。 この場を借りて、今まで討議の場を提供していただいた国立公衆衛生院、国立医薬品食品衛生研究所、延べ300人を超える技術教育委員会活動に参加された方々、その裏方の事務局として活動を支援してきたボランティアの皆様に篤くお礼申し上げます。