【バイオウイルス委員会】

日本PDA製薬学会
バイオウイルス委員会 菅谷真二

医薬品の品質や安全性に対する要請は、近年、ますます厳しくなっている。特に生物由来原料医薬品やバイオテクノロジー応用医薬品等の生物製剤(Biologics)に対しては、感染性因子混入の可能性に留意しながらも、製造工程の恒常性を確保し、安定生産を行うことが要求されている。

バイオウイルス委員会は、この様な認識のもとに、生物製剤の安全性・恒常性に関わる種々の疑問点・課題を、科学的、技術的及びレギュレーションの面から検討することを目的として2003年3月に結成され、原則月1回の頻度でこれまで55回委員会を開催している。

現在の登録委員は29名で、バイオ医薬品、血漿分画製剤のメーカー、受託試験会社およびフィルターなどのサプライヤーを中心にメンバー構成されている。

生物製剤の特徴は、未知及び既知の感染性因子が混入する可能性を完全には否定できないことであり、最大の関心事は、その安全性をいかに担保するかである。

そのアプローチとして、「入れない(原材料のチェック)、入っても除去する(クリアランス)の2 つに大別される」との考え方より、2003年からの3年間、「原材料」と「クリアランス」の2 つの分科会で検討を行い、その成果を日本PDA製薬学会第12回年会(2005年)および日本PDA 製薬学会誌上にて報告した。

2006年からは、「ウイルスクリアランス」及び「プリオン」分科会でさらに検討を深め、第14回年会(2007年)において、『ウイルスクリアランス分科会ではウイルスクリアランス試験に関する具体的な事例』、『プリオン分科会ではプリオン病に関する最近の知見並びに、医薬品、特に生物製剤におけるその対策の現状と課題』について報告した。

2008年はIQH Q9の手法についても検討し、リスクマネジメント分科会とウイルスクリアランス分科会として活動し、第15回年会(2008年)では、『バイオ医薬品の製造工程における品質リスクマネジメント』、『効率的なバイオ医薬品のウイルスクリアランス試験の進め方-治験申請から製造承認申請まで-』と題して、その成果について発表した。

これまで、委員会の成果は日本PDA製薬学会年会のみならず、日本医薬品等ウイルス安全性研究会においても発表している。

なお、2008年はバイオウイルス委員会が中心となって、『FDA(CDER)審査官を招いての「バイオ医薬品の規制動向と最新のウイルス安全性対策」』と題して、FDAのDr.Kurt Brorson を招き、バイオセーフティ、およびバイオのレギュレーションに関しての教育コースを開催し、行政関係者を始め、医薬品製造業者等、多くの分野から参加をいただいた。

当委員会は2006年から年1回の移動委員会(夏合宿)を日本赤十字社血漿分画センター(北海道)にて行い、2007年は化学及血清療法研究所(熊本県)、2008年は分科会として日本赤十字社血漿分画センター(北海道)にて開催した。

各製薬企業では、汚染リスクの存在を認識し、安全な原材料の選択など、できうる限りの対策を模索し、取り入れるよう努めている。

安全対策がより効率的・効果的であるために、さらに発症メカニズムの解析、発症原因物質の管理が可能な程度の高感度検出法の開発、発症原因物質が混入した際の確実な除去・評価法の開発が必要である。これらの解決には産・官・学共同による長期的観点での積極的かつ粘り強い取り組みが不可欠となる。

なお、バイオウイルス委員会における2009年の活動テーマは、リスクマネジメント、QbD、ウイルススパイク標準化の3つの分科会にて活動することを予定している。

以上

(注意:会員の募集は現在中断しております)
※バイオウイルス委員会への参加に関するお問合せは、下記へお願いいたします。
日本PDA製薬学会 バイオウイルス委員会 菅谷真二(東和薬品)
e-mail:s-sugaya@towayakuhin.co.jp